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zoom RSS ドラマ 「のだめカンタービレ」 スペシャルを観て。

<<   作成日時 : 2008/01/05 23:53   >>

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スペシャルということで、パリとプラハでのロケがふんだんに挿入され、豪華な感じ。ただし、シナリオは詰め込み気味で、やや不自然でした。

ストーリーの都合上、ヨーロッパでのシーンが中心になってしまうので、レギュラー放送時のメンバーの多くがカメオ扱いになっています。こんなことなら、もっとバッサリ、出演シーンをカットしてしまったほうがスッキリしたのではないかとも思いますが、視聴率を確保するためには仕方なかったんでしょうね。R☆Sオーケストラのメンバーは、ヨーロッパ留学中ということになっている三木清良(水川あさみ)を除くと、「裏軒」にたむろしているばかり。そして清良も、留学先のアパートの一室から出てこないんですから(w)。

本物のコンセルヴァトワール(パリ音楽院)にロケしていたのにはビックリ。日本でいえば東京芸大の音楽科がロケに協力するようなもんです。コンセルヴァトワールという言葉は、ファッション用語の“コンサバ”と同じで、要するに“伝統的”あるいは“保守的”であることを標榜しているようなところ。ですから、日本のテレビドラマごときに出てくるだろうか、と思っていたんです。

そういえば今年の元日、ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートで、フランス人としては初めて指揮棒を振ったジョルジュ・プレートルも、このコンセルヴァトワールの出身です。EUとして経済圏がまとまり、通貨もユーロに統一されて、垣根が低くなったってことなんでしょうか。かつては外国人だからという理由で、あのリストでさえ(のだめや孫Ruiが弾いていた「超絶技巧練習曲」の作曲者)入学できなかった学校なんです。

パリ管弦楽団という、フランスを代表する一流オーケストラがありますが、その前身はコンセルヴァトワールの出身者で構成されており、名前も「パリ音楽院管弦楽団」でした。このオケの最後の主席指揮者だったのが、私の最も敬愛する名指揮者、アンドレ・クリュイタンスという人で、ジョルジュ・プレートルの師匠にあたります。クリュイタンスは「いつも微笑んでいる」と言われた人で、のだめの先生となったオークレール氏をちょっと連想させます。

指揮者の師弟関係というのは、外部の人間からはどういうものなのかあまり想像できませんから、クリュイタンスとプレートルが師匠と弟子だといっても、ふだんどんな会話が交わされていたのか、考えたこともありませんでした。もちろん、シュトレーゼマン(竹中直人)と千秋(玉木宏)のような関係ではなかったでしょうが、こういうドラマを観ていると、なんとなく、いろんな想像が膨らんで楽しくなってきます。

パリ音楽院管弦楽団をクリュイタンスが指揮した録音はたくさん残っていて、特に名演とされているのがラヴェルの作品集です。のだめが留学先で最初に弾いた曲、そして初リサイタルの最後で弾いた曲が、そのラヴェルの「鏡」という曲集に入っている「道化師の朝の歌」で、ラヴェル本人がオーケストラ用に編曲しており、クリュイタンスの指揮した演奏を今でも聴くことができます。この曲はいろんな指揮者が取り上げている名曲ですけど、クリュイタンスのを最高の名演とするファンはたくさんいます。おしゃれで小粋な演奏なので、これと比べるとカラヤンのでさえ、すごく野暮ったく聴こえるんです。

当時のパリ音楽院管弦楽団は、特に管楽器のセクションがべらぼうに上手い人ぞろいでした。この伝統は現在にも受け継がれているので、黒木君(福士誠治)も鍛えられることでしょう(w)。しかし、つくづく思うのは、このドラマ、キャスティングがほとんどベストに近いなあ、ということ。特に素晴らしいのがこの黒木君と千秋だと思っていたんですが、今回のスペシャルではさらに、「この人以外は考えられない」というほどピッタリなキャスティングがありました。ターニャを演じたベッキーです(w)。

玉木宏は、レギュラー放送の時と比べると、あまり間が空いてないにもかかわらず、何だか貫禄がついたような感じ。良く言えば「本物の指揮者らしく見える」とも言えるのですが、ちょっと老けた感じもしました。他のメンバー、たとえば峰(瑛太)や真澄ちゃん(小出恵介)らが全く変わってないのに対して、1人で苦労しているようにも見えます。それだけ売れっ子だということなんでしょうね。今年の大河ドラマでは坂本竜馬をやるらしいですが、頑張って欲しいもんです。

上野樹里は、実のところあまり好きな女優ではないのですが、のだめの役に合っていると思います。しかし、ああいう粘っこいしゃべり方をさせた演出は、どうもイヤですね。また、今回のスペシャルでは、原作の性格とは違うキャラにしてしまった部分がたくさんあり、変態というよりも多重人格じゃないかと感じるほど、ヘンテコな描かれ方になっていました。ひょっとすると、短い時間内にヨーロッパ編のドラマを詰め込もうとして、シナリオを刈り込んだりしたんじゃないか、という気もします。だとしたら残念ですね。三夜連続にするという手もあったと思うんですが。

このほか、今回のスペシャルで印象に残ったのは、片平を演じた石井正則。ややオーヴァーな演技っぷりでしたが、指揮者コンクールでのドタバタには妙にマッチしていました。グリンカの「ルスランとリュドミラ」序曲、という選曲もピッタリでしたし。孫Ruiを演じた山田優は、ちょっと美人すぎですね。やはり、もっとチャイナ系の容貌の女優さんを使うべきだったように思います。また、ヴィエラ先生役のズデニェック・マーツァル(発音記号で見ると[ma:tsal]になっているので、マカルやマーカルではなくマーツァルが適切だと思います)が日本語でしゃべるシーンがありましたが、吹き替えが青野武さんでした。青野さんには失礼ですが、もっと上品な声質の声優さんのほうが良かったように感じました。

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