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zoom RSS 通勤電車内での読書。

<<   作成日時 : 2008/02/25 23:50   >>

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某大学で仕事をするようになってから、はや1ヶ月が経ちました。ということは、電車での通勤経験値も1ヶ月分、溜まったわけなんですが……。

電車で通勤すること自体には、まだ新鮮さを感じていますし、特に苦痛なことはありません。電車に揺られながらの読書にも、かなり慣れてきました。それについては、いくつか自分にとって新たな発見もありました。こんなこと、若いころから電車で通勤・通学するのが当たり前の都会人には、わざわざ話題にするほどのことじゃないかもしれませんが、私にとっては意外なことでした。何かというと、電車の中で読むのに適した本と、そうでない本に、明確な区別がある、ということです。

まあ、前にも書いたように、同じハコには女子高生がたくさん乗っているので、ブキミ系・残虐系の表紙の本をカヴァーもかけずに読むのは気が引ける、というのは大前提。誤解を招くようなタイトルの本を読むときも、やはりカヴァーは必需品でしょう。もっとも、今日の朝、私と向い合せに座った女性なんか、乗ってくるやいなやバッグからチョコレートを取り出して食べ始め、さらに文庫本を出して読み始めたんですが、チラッと見てみると『恋愛科学が教える……』というようなタイトルの本でした。

気になったので、あとで検索してみると、どうやら『恋愛科学が教える「恋の敗者復活」講座』という本だったようです。男の書いた、男の考え方や感じ方を女性に解説する類の本らしく、非モテ系お兄ちゃん御用達のデートマニュアル本と同様、実際には例外だらけで役に立つとは思えないですし、また人前で堂々と読むのも、普通なら恥ずかしく感じるんじゃないかと思うようなタイトルですが、トイメンに私というれっきとした男が座っているのに、彼女はまるで私にタイトルを見せつけるような角度で本を構えて、読みふけっていました。チョコを食べながら。

こんなのって、「ワタシは恋の敗者よ!」と宣言しているようなもんじゃないかと思うんですが、ここをご覧の女性のみなさま、いかがお思いでしょう。ちなみにその女性は、三十代前半ぐらいの感じ。同じ電車に乗っているのを何度か見かけた記憶がありますから、たぶんどこかのОLさんなんでしょう。特別美人でもブサイクでもなく、まあ普通の容姿でしたし、朝っぱらからチョコをバリバリやっているからといって、別に太っているわけでもありません。むしろスリムといえる体型です。ただ、少なくとも私から見れば、何の興味もわかないタイプです。

ところがそんな女性でも、ひとたび『恋愛科学が教える「恋の敗者復活」講座』なんていうタイトルの本を手にしていることで、私の好奇心を刺激してしまうんですから、本のパワーってのは侮れませんね。なんとなくヨレッとした感じの本でしたから、よほど何度も繰り返し読んでいるのか、はたまたブックオフあたりで買った古本か。いずれにしても、これだからヘンテコな表紙やタイトルの本を、カヴァーもかけずに読むわけにはいかないと思うんです。いくら私が、女子高生からは間違いなくタダの中年男に見えるとしても(w)。

話がそれてしまいましたが、電車の中で読むのに適した本と、そうでない本に、明確な区別があるというのは、実はタイトルとも表紙デザインとも何の関係もありません。中身の問題です。電車の中では、ひとりで部屋にいる時と違って、どうしても集中力が低下するので、あまり面白くない本だと眠くなってしまう率が高くなる、ということと、逆に面白すぎる本だと、電車で読むのがもったいないような気がしてしまうということ。これは、普通に読書しているときにも起きる現象ですけれど、電車の中ではその振幅が大きくなる気がするんです。

電車の中で眠るのは、とても時間のムダ遣いをしてしまっているような感覚があるので、面白くない本を持ち込んでしまったら悲劇です。というわけで、私は朝、カバンの中身を詰めるとき、保険をかける意味で3冊の本を入れてしまいます。なんじゃそりゃ、という方もいるでしょうが、本読みの人間って、こんなもんなんじゃないでしょうか。前述のように、面白すぎてもちょっとイヤなので、3冊のうち1冊は繰り返し読んでいる愛読書にしています。たとえば、百目鬼恭三郎(どうめき・きょうざぶろう)の『奇談の時代』とか、ルーベルト・シェトレの『指揮台の神々』とか、安野光雅の『絵のある人生』といったところ。

さて、この1ヶ月の間に、電車の中で私は20冊程度の本を読了したんですが、その中にはそういう、「面白すぎて、電車の中で読むのが惜しい」と思えるような作品が2冊も含まれていました。率にして1割。すごい高確率な気がします。パトリック・クェンティンの『グリンドルの悪夢』(原書房)と、ジェイムズ・グレイディの『狂犬は眠らない』(ハヤカワ・ミステリ文庫)です。これらは、それぞれ本格と非本格の、今年のベスト候補と言えそうなほどの面白さなので、近いうちに当ブログでご紹介したいと思っています。

このほか、ライトノヴェル出身の異色の時代小説作家・風野真知雄の『穴屋佐平次難題始末』(徳間文庫)が個人的には妙にツボにはまってしまいました。鳥飼否宇の『官能的 四つの狂気』(原書房ミステリ−・リ−グ) とか、深水黎一郎の『エコール・ド・パリ殺人事件』(講談社ノベルス)、ジェイソン・グッドウィンの『イスタンブールの群狼』(ハヤカワ・ミステリ文庫)などなど、ご紹介したいミステリ本は溜まる一方なんですが、仕事で何時間もパソコンに向かい続けていると、なんか帰宅してまでキーを叩くのが億劫になってしまって、更新頻度がガタ落ちしています。早いところ、元のリズムを取り戻したいもんです。

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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんわ。
電車の中で他の人が読んでいる本って気になりますよね。好きな作家さんの本を読んでいる人を見ると「おお!」と思ったり。逆に雰囲気と違う本を読んでいる人だと、意外な一面を知ったような気になったり。
私も電車の中だと適度に軽めの本を読みます。あと以外と勉強に向いているので、資格試験の本なども。振動で記憶が促進されるのかなぁ?
ia.
2008/02/27 00:07
自分は乗り物酔いし易いので本は持ち込んでもほとんど読めません。電車やバスでも下向いてると具合が悪くなるので;;
他の人が読んでる本のタイトルは気になりますね。特に傍から見てても没入してると分かる本は、後で検索してみようかなと思います。あまりジロジロ見ると怪しい人だと思われるので自重してますが。

2008/02/27 01:14
ほんと人の読んでる本って気になりますね。またタイトルを見ようとしたら微妙に見えないんだ。これが(笑)同じパターンに夕刊紙の記事ってのもありますねw 
レイバック
2008/02/27 21:29
ia.さん>
どうもです。
私も、もしディクスン・カーを読んでいる若い女性に出くわしたら、思わず声を掛けちゃうかもしれません。まあ、ほとんどあり得ないとは思いますが(仮に読んでいたとしても、カヴァーかけてるでしょうし)。
チャラチャラした感じのおネェちゃんが、いきなり文庫本を取り出して、難しい顔して読みふけってたりすると、確かに意外な気にはなりますね。
それにしても、ia.さんは電車で資格試験の本を読んだりするんですか。上にも書きましたけど、私は集中力が普段より低くなるので、とても勉強にはなりそうもないなあ。
のちんかん
2008/02/27 22:39
鯨さん>
うう、それは不幸ですね。私も、車に乗ってるときに本を読むと、確実に酔っちゃうんですが、鉄道や船や飛行機なら問題ないみたいです。バスも大丈夫。でも、なぜか普通の自動車だけはダメですね。運転するのが好きなので、人がハンドルを握る車に乗る機会は少ないんですけど。
人の読んでる本は確かに気になるんですけど、自分自身、読んでる本に没入するタイプなので、むしろ人からどう見えてるのかのほうが気になります。そうか、それが集中力低下の原因かも。
のちんかん
2008/02/27 22:47
レイバックさん>
ああ、夕刊紙が気になるっていうところは、都会人ですね。田舎にゃ夕刊紙なんてものはありませんから。朝なら、スポーツ新聞を広げてるオヤジがたまにいますけど。実は私、ずっと昔に某スポーツ紙で仕事してた時期があって、さんざんイヤな面を見てしまっているので、なんかもうもあまり読む気がしないんですよ。
のちんかん
2008/02/27 22:53
ああ、なんかものすごくよくわかります。みなさんのようにたくさんは読まないけれど電車の中で読むと思うと選びますね。そうそう、夕刊紙で思い出しました。駅売りのスポーツ新聞の「とある」ページを臆面もなくおっぴろげているオヤジには攻撃します。黙って顔を見てやるだけなんですけどね。ほんの草の根運動です。
つる
2008/02/28 19:31
つるさん>
つるさんの視線にどれだけ迫力があるか、ちょっと睨まれてみたい気もします(w)。
のちんかん
2008/03/24 13:19

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